僕は25歳〜28歳の4年間人材業界で働いていました。
良くも悪くも人材業界の裏事情を知ることができて人生で役立っています。
今は全く別の仕事をしているので、忖度なしで転職エージェントの裏事情を大暴露しようと思います。
転職エージェントを使う上で知っておいた方が良いことって沢山あるので、かなり役に立ちますよ。
他のweb上の記事では殆どの人が言及していない『不正事情』『お祝い金・支援金の真相』などにも踏み込んでいきます。
めっちゃ闇が深い業界です。
タップできる目次
転職エージェントが無料である裏事情
まず転職エージェントの仕組みを理解すると、転職するときにかなり役に立ちます。
転職エージェントは、人が欲しい企業と、就職したい求職者をマッチングするサービスです。
リクルートエージェント・マイナビエージェント・dodaなんかが代表的ですよね。
転職エージェントが無料で使えるのは、採用者された時にエージェントが採用企業からお金を貰っているからです。
もっと詳しく言うと、あなたが転職エージェントを使って採用が決まりました。
あなたを採用する会社からエージェントに、あなたの年収の20%〜30%のお金が支払われるからです。
これは結構な金額で年収300万円の場合、60万円〜90万円ほどの金額感。
転職エージェントはあなたを商品として扱っており、会社に採用してもらいビジネスを成り立たせています。
参考までに転職サイトとの違いも記載します。
転職エージェント | 転職サイト | |
---|---|---|
求人掲載の費用 | 基本的に無料 | 数万〜数百万 |
採用した時の費用 | 年収の20%〜30% | 無料 |
掲載期間 | 基本的に無期限 | 10日〜数ヶ月(契約による) |
メリット | 採用しなければコストがかからない | 一度の掲載で複数採用できる |
デメリット | 一人当たりの採用単価が高い | 掲載して採用できないと無駄になる |
基本的な仕組みとメリット・デメリットを理解できたらOKです。
有名企業・大企業ほど転職エージェントを使う
有名企業や大企業ほど転職エージェントを使う傾向にあります。
理由としては、
- 採用リソースをかけたくない
- スキルのある人を高値でもいいから採用したい
- 一時的なフィルターをエージェントに任せたい
って感じです。
まず、有名企業が求人を出したら、応募が殺到します。
真面目な応募から、変な応募まで、1日に数百、数千の応募が来るので、大企業はエージェントに丸投げしたいのです。
裏事情を言うと、予め書類を突破できる人のスペックを人材会社がヒアリングしておき、それを超えた人しか大手企業には届かないような仕組みになっています。
これを採用代行と言ったりします。
通過しない人は落選お祈りメールが自動で飛んでいくって感じが裏事情です。
転職エージェントの裏側では採用代行が行われていることが殆どですね。
転職エージェント登録時の裏事情
基本的に転職エージェントに登録すること自体は誰でもできます。
しかし、実際にエージェントが面談したりサポートを行うかは話が別です。
サポート対象として誰を選別するかは、エージェント企業の判断になります。
私が在籍していたエージェントでは、
- 優秀でスキルが高い人
- 年齢が40歳未満
この2つの項目で面談をするか見極めていました。
多分他のエージェントも似たような感じです。
詳しく解説します。
優秀な人はすぐに囲い込む
簡単に言うと優秀な人は転職エージェントが全力で囲い込みます。
何故なら、企業から引く手数多で内定になる確率が高いからです。(エージェントにもお金が入りやすい)
転職エージェントも事業として存続させるために、採用実績を作り収入が必要です。
なので、スキルの高い優秀な人には即座に面談を打診しVIP待遇をします(笑)
他のエージェントを使わないように、最大限のサポートをして非公開求人もバンバン紹介します。
これが裏事象です。
逆を言えば、転職エージェントから連絡が来ないとか冷遇された人は、そこまで市場価値の無い人って思われています(爆)
これがマジで裏事情です。
年齢が高い人はサポート拒否をする
求職者が50歳以上、60歳以上の場合は基本的にはサポートはしていませんでした。
何故なら極端に内定率が下がり、サポートの費用対効果が見込めないからです。
いくらハイキャリアの人であっても年齢の壁にはなかなか敵わない、そこをサポートすると事業が立ち行かなくなります。
基本的に『紹介できる求人がありません』とか、お祈りメールを送ってサポートを終わらせます。
稀に、電話でごねるおじさんとかいましたが、普通に紹介できる求人がないので無理なもんは無理って感じでした。
求人紹介・面談するときの裏事情
この章では、求人紹介・面談の時の裏事情を記載します。
ここは結構驚く内容ばかりだと思います。
- 求職者は商品であるという事実
- 対応順はスペック順
- 希望条件以外の求人の紹介の罠
- 採用要件に満たない応募は意味がない
ちょっと過激ですが、事実をありのままに記載します。
求職者は商品であるという事実
ちょっと炎上してしまいそうなタイトルですが、これも紛れもない事実です。
エージェントは取引企業に人を紹介しお金を得ることで事業を成り立たせています。
取引企業の採用要件をしっかりヒアリングして、『どんな人材を・いつまでに・何人欲しいか』などの要望に応えていくことがミッションです。
取引企業に失礼な求職者は紹介できません。
次の採用の機会が無くなってしまうし、取引自体をしてもらえなくなる可能性もあります。
皆さんも同じですよね。
クオリティの低い仕事はクライアントに提供しませんよね。
そんなことをしたら信頼は勝ち取れません。
だからしっかりと人(人材)の選別をせざるを得ないのです。
もしあなたが転職エージェントから
- サポート拒否
- 求人を紹介されなかった
- 相手にされない
- 連絡がこなかった
こんな対応をされたら、冷静に考えてみて自分の市場価値・スキルを考えてみましょう。
おそらく市場からは価値がない場合が多いです。
でも、今から頑張って見返せばいいだけです。伸び代が無限にあるってことですよ。
対応順番はスペック順になりがち
これもガチの事実で丸秘情報です。
高スペックの人、優秀な人の登録が確認されたら、登録後3分以内にコンタクトを取るようにしていました。
理由は簡単で、
- 内定率が高く会社の売り上げに近い人だから
- 他のエージェントに流出してほしくないから
- 他の人より優先度高く対応した方が費用対効果が高いから
転職エージェントは、登録した人全員を対応するのは不可能です。
ある程度、対応の優先順位を決めて対応しています。
最も成果が最大化する順で対応していきます。
希望条件以外の求人を紹介する裏事情
これには理由が3つ考えられます。
- エージェントの都合で入社させたい会社がある
- あなたのスキルで届く会社が紹介した企業くらいしかない
- エージェントの判断であなたが活躍できそうな会社を紹介した
ある程度想像はできると思うのですが、この3つが希望条件以外の求人を進める理由です。
①はクライアント企業が『離職者が出て今すぐにでも欲しい、頼むよエージェントさん』みたいな感じで言ってきます。
すぐ採用になる可能性が高いので、エージェントはその企業の紹介を行います。
エージェントもノルマがあるので、そういったことは頻繁に行われます。
②の場合、紹介した企業に応募しないならすぐに切り捨てられます。
③は結構多くて、これから伸びる業界に転職した方が給料が上がりやすく市場価値の高い人材に慣れるので、そう言った業界に推すことも多いですね。
求職者が希望した企業に応募させない裏事情
これは単純明快で、求職者のスキルが満たないor企業のニーズに合っていないからです。
私が所属していた会社では、仮に自分で応募したとしても自動で不採用のお祈りメールが届くような仕様になっていました。
あなたのスキルと企業ニーズを合わせるのがエージェントの仕事です。
不一致な方の応募はほとんどしません。
採用試験・面接に進んだ時の転職エージェントの裏事情
サポートしていた求職者が、採用試験や面接に進んだ後にも色々な事情があります。
大前提として、
- 採用されなければエージェント側にお金は入ってこない
- 最終判断は求職者にある
この事実がこの仕事の難しいところです。
いかに求職者の信頼を勝ち取り、しっかりグリップできるかがポイントです。
面接に進んで内定を貰っても『行かない』となれば今までのサポートは水の泡になります。
そうならない為に色々な取り組みをしていました。(裏事情)
求職者を把握しておく
求職者が他のエージェントを使っているか、他にどんな企業に応募しているかなどを可能な限り把握しておきます。
求職者が私のエージェントサポートのみを使用している場合や、リレーションが構築できている場合は、重きを置いてしっかり対応します。
逆に、意見が聞きたいだけ、第2希望、第3希望の応募だった、転職意思が低い場合は、サポートの優先度は下がってしまいます。
求職者との関係性がしっかり築けていれば企業側に猛烈プッシュをしたりもできます。
もしこれから転職エージェントを使ってみたい方は、しっかりとコミュニケーションは取りましょうね。
内定のために可能な限り情報を渡す
これは当たり前なのですが、求職者に採用試験の傾向や、面接の情報などを渡します。
転職エージェントは、採用された人や落ちた人のデータを大量に持っています。
この企業の採用傾向は〇〇で、こっちの企業は△△の人が受かりやすい、みたいなデータです。
これを求職者に伝えて、一緒にトレーニングをして内定を勝ち取りにいきます。
内定を獲得した企業に行くように説得する場合がある
求職者が内定を勝ち取り、行かない場合は理由をヒアリングし、場合によっては説得もします。
最終的な判断は求職者がするのですが、エージェント側としては行ってほしいものです。(お金になるから)
逆に内定を勝ち取った人は他でも内定を取れる可能性が高いので、もう一度伴走することもあります。
転職エージェントの闇:ガチガチの裏事情㊙︎
ここからはどの記事でも触れていない、転職エージェントの闇をご紹介します。
転職エージェントが頻繁に連絡をとってくる理由:不正防止のため
転職エージェントが頻繁に連絡を取ってくる理由は、
- 関係構築(リレーション形成)
- 不正の防止
①は分かると思います。
②については、成功報酬型の闇である不正が横行しているからです。
不正を説明すると、
転職エージェント経由で採用すると、年収の20%〜30%を支払います。(年収300万なら60万〜90万の大金)
これを払いたくない企業が、
みたいな感じで、実際にはエージェント経由で選考をしたにもかかわらず、他からの採用としてお金を払わないことです。
これはHR領域で長年大問題となっています。
加えて、エージェント側はこれを調査する権利もなく、泣き寝入りすることが非常に多いです。
職を探している求職者からしたらどうでもいいかもしれませんが、個人的にはこんな会社に入る必要はないと思います。
契約を守らない会社に入社すると聞いただけでブラック感がありますよね。
入社祝金や応援金の裏事情
入社祝金や、転職支援金などのお金を貰える転職サイトやアルバイトサイトがありますよね。
お金の出どころは簡単で、あなたが採用されます→エージェントにお金が入ります→その一部を祝金としてあげますって感じです。
実は、あれは不正防止の役割も担っているんですよね。
もし内定者がお金を申請したら、応募企業との突合が行われます。
応募企業が不採用にしていて、お金の申請が頻繁に上がってくるとこの企業は不正を疑われます。
特にアルバイトサイトに多いですが、飲食店などは入れ替わりも激しく、しょっちゅうこういったことが起こります。
求人検索で下の方に出てくる企業
大手エージェントで求人を検索すると、めちゃくちゃな数が出てきますよね。
そのうち下の方に掲載されている企業の多くが、
- 掲載料金がかからないからとりあえず掲載しとけ
- 採用実績が皆無
- 不正を疑われている
って感じです。
掲載順位をオプションとして販売しているエージェントもあると思いますが、概ねこのロジックで間違いはないです。
①に関しては、休眠掘り起こしみたいな営業電話をすることもあります。
応募したけど放置された経験のある方はほとんど①に該当します。
②、③に関しては、検索のアルゴリズムでわざと下の方に表示させています。
上位表示させて、応募を集めたところでお金にならないからです。
求職者の方に気をつけてほしいのは、『魅力的な求人だけど掲載順位がいつも下』みたいな求人には気をつけましょう。
不正企業は訴訟に発展することもある
私が在籍していた会社では訴訟はかなり多くありました。
確実に採用されているという証拠が手に入れば、まず企業に情報開示を求めます。
従わない場合は訴訟って感じです。
確たる証拠がない場合は厳しいですが、訴訟に発展した場合は高確率でエージェントが勝っていました。
転職エージェントをうまく使うには?
基本的に転職エージェントは、大手企業や上場企業が多くコンプライアンス順守企業です。
その転職エージェントを使う企業(採用企業)に問題があることが多いです。
先ほどの不正もそうで、転職エージェント側には何ら問題はありません。
だから、転職エージェントを使うあなたは何の心配もなく使えばいいと思います。
心配な方は、転職エージェントの大手に登録すれば問題ないと思います。
この辺はどれも大手で、安心して使うことができます。一度覗いてみるといいですよ。
ここまでいかがでしたでしょうか?
転職エージェントの裏側を赤裸々に書きました。
皆さんの転職が成功することを心から願っています。
それでは、See you next time!!