
今回紹介するのは、『マーケット感覚を身につけよう』です。
世の中の多くの人が、これからの社会で求められるのはどんな能力なのか?と悩んでいますが、それがマーケット感覚であるとこの本では語られています。
私はこの本で人生観が変わりましたし、常識がいかに無駄なのかを思い知りました。
ビジネスマンだけでなく、社会人の必読書です。
目から鱗、迷った人生のコンパスになるそんな一冊です。
本のタイトルの"マーケット感覚"って何?
本書のテーマである『マーケット感覚』なのですが、簡単に言ってしまえば、『価値を認識する能力』のことです。
さっぱり意味が分からないと思いますので、本書内での事例を用いて説明します。
まず、みなさんに質問をします。
- 航空会社Aの競合として思い浮かぶ企業を全て挙げてくださいfa-plane
おそらく多くの人は、他社の航空会社と答えると思います。
そしてA社が運営している他の貨物事業であったり、ホテルなどの宿泊事業の競合企業を挙げるでしょう。
もちろん間違いではありません、正解です。
でも、飛行機の利用シーンを考えると他にも多くの企業が挙げられます。
出張や旅行の場合は、新幹線や車を選ぶ人もいますよね。
受験や就活だと夜行バスの人もいますね。
つまり航空会社Aの競合は、新幹線、車、夜行バスなどにも及ぶことが分かります。
さらにもう一段階競合を深掘りしてみます。
Bさんは全国に展開している企業の責任者で、今月の売り上げが低迷し目標値に全く届いていません。
月末までに何とか目標を達成しなければならないので、各拠点の支店長に召集をかけ緊急会議をしなくてはなりません。
会議は毎回大阪支社で行っていました。
しかし、売り上げが低迷しているので今回はテレビカンファレンスを使用しました。
もう1例、
コロナウイルスの影響もあり、遠方に住んでいる祖父母の家への里帰りを断念しました。
でも挨拶はしたかったのでzoomを繋ぎました。
おじいちゃん、おばあちゃんもzoomの使い方を覚えて、今後はzoomで顔見せすることになりました。
お分かりでしょうか??
本来であれば各支店長が、飛行機や新幹線や車などを使って大阪に集結するはずでした。
本来であれば遠方の祖父母の家に飛行機で行くはずでした。
しかし、今回はテレビカンファレンスを使用し飛行機は全く使いませんでした。
つまり、テレビカンファレンスの企業も航空会社Aの競合になるのです。
これらを踏まえて、本章のテーマ『マーケット感覚って何?』に戻ります。
冒頭でマーケット感覚とは『価値を認識する能力』と記しました。
当たり前なのですが、航空会社Aは出張や旅行、就活や里帰りなど移動手段としての価値を利用者に提供していました。
一方でテレビカンファレンスの事例で考えると、航空会社Aは遠くにいる人に会ってコミュニケーションを取るという価値も提供していました。
つまり、マーケット感覚とは、これらの多くの価値を本質的に見極め理解する能力のことです。
一歩一歩順を追って考えていく論理的思考とは違い、リアルな現場(利用シーン)をイメージしながら考える思考法です。
市場化が避けられない時代になったからこそマーケット感覚を身に付けるべき
市場化が避けられない時代になったと言われても、私は意味が分かりませんでした(笑)
就職活動を例にして解説します。
昔であれば高校や大学を卒業する前に、教授や先生がその生徒に適正な職業を紹介していました。
もちろん一般的に就職活動する人もいましたが、コネで入社する人も相当数いました。
また、親・親戚が就職先を紹介するのも一般的でした。
遠くにある会社を何十社も受験するなんて事はできなかった時代です。
しかし最近の就職活動はインターネットで行われるようになり、
・全国どこの企業も受験できる
・何社でも受験できる
・先生や親に頼らず1人でできる
このような時代に変化しました。
その結果どうなったか?
全学生が全企業を選べるようになり、同時に全企業が全学生を選べるようになりました。
これが市場化です。
- 昔は狭い小さな世界で行われていたことが、広く大きな世界で行われるようになった
- 主にテクノロジーの恩恵を受け、多くの人が自由に参入できるようになった
- 古い価値観や考え、既得権益のようなものがぶっ壊され市場が開放された
非常に難しいですが、このことが市場化だと私は解釈しています。
そして市場化の波は、いろいろな分野に波及しグローバル化していきます。
最近の優秀な学生は、GoogleやAppleなど外資系の企業に就職をします。
学校の先生や教授から仕事を紹介されていた時代とは全く違いますよね。
市場化は昔の我々の常識を壊していきます。
だからこそマーケット感覚(価値を認識する能力)を身につけ、これからの社会で求められる能力を自分で判断しなければならないのです。
マーケット感覚を身に付けず常識を信じていると危険
前章で市場化が今までの常識を壊していくことに触れました。
その結果、我々が今まで持っていた常識は変わっていきます。
学校教育や労働市場について考えてみます。
今でもそういう人もいるでしょう。
しかし、年功序列、終身雇用が危ぶまれた最近では実力主義の企業が増えてきています。
実力のある人は、転職して好条件の会社に転職します。
転職が当たり前になった昨今、学歴でなく実績と実力が新しい常識になりつつあります。
大事なのは学歴でなく実力・実績に時代(市場)は変わりました。
また、難関資格を取れば安心と思っている人も考えを改める必要があります。
しかし、日本の人口は減り続け、日本はアメリカ程の訴訟大国ではありません。
税理士の難しい計算はPCやスマホで簡単にできるようになりました。
その結果、難関資格を持った人の仕事が徐々に減ってきたのです。
金融機関の過払金請求の広告を打たねばならない程弁護士の仕事は減り、税理士が行っていた難しい税金の計算はパソコンでクリック1つでできるようになりました。
もしあなたに『マーケット感覚』(価値を認識する能力)があれば、難関資格を取得したら安定という考えには至らないはずです。
このように時代の流れを見極め、物事の本質を見抜く『マーケット感覚』は、今後の社会で生きていく為に必要なスキルでしょう。
今まで紹介した内容はほんの一部です。続きは是非手に取って読んでみてください。
今後の生活に不安がある方や、新しい考え方を身につけたい方におすすめです。